|
HOOTIE & THE BLOWFISH
(2003, Atlantic) |

|
実に久しぶりにこの名前を聞く。全作98年の『Musical Chairs』以来、実に5年振りの4作目。一時的に売れすぎていたとはいえ、実力のある連中なので、コンスタントにアルバムも出していけるだろうと楽観視していたが、さすがに5年のインターバルが空いた。グループ名をタイトルに冠し、出直しを図るような感じだが、セールス面で厳しくなっていたものの、彼らのサウンドに大きな変化はなく、自分達のスタイルを貫いている。曲も全て自分達で作り上げており、今の音は、大ヒットの後のプレッシャーから開放された、むしろリラックスして描かれているようだ。ダリアスの包容力のある歌声も健在で、力強くまた優しく、大地を吹き渡っている。お勧めは、何と言っても、『自分の夢も、君の笑顔もすっかり変わってしまったけれど、心のままに歩んで行きたい』と歌う「Innocence」。「Let Her Cry」に通じるスケールの大きなフーティ流の野太い、そしてセンシティヴなメロディが冴える。また、アコースティックに聴かせる「Tears Fall Down」は新しい一面をも見せている。語り掛けるような歌声が、愛する人と別れた悲しみを切々と訴えてくる。時代の趨勢は変わろうと、良いものは生き長らえる。流行に流される事なく、自分達のスタイルを貫いて欲しい。まだまだ彼らのサウンドを聴いていたい。そう実感させられたアルバムだ。(小松)
|
|
MUSICAL CHAIR
(1998, Atlantic) |

|
デビュー作をアメリカで1500万枚売った頃、このバンドへのバッシングは凄かった。これといった特色がなく、メンバーにも全くスター性がない。どの曲も似たような感じだし、何よりダリウス・ラッカーの野太いだけで味もへったくれもないボーカルは致命的だった。作品を重ねる毎に人気は落ち、売上げも下り坂。本作は一応トップ5に初登場したものの、あっという間にチャートを滑り落ちていった。相も変わらず同じような曲ばかり、との評判。そぉかぁ?楽曲の質が、飛躍的に向上している。今、アルバム全曲がこれだけのクオリティを維持している作品を出せるバンドが、いったいいくつあるというんだ?冒頭6曲目までを聴いて、私はこいつらを小バカにしていたことを反省した。曲が、とてもよく出来ている。間違いなく過去3作のうちベストだ。そして以前から変わらず、歌詞がとても良い。本作を聴いたけど「今いち」と思ったあなた、もう一度じっくり聴いてごらんなさい。本作を聴きもせずにこのバンドを馬鹿にしているあなた、一度歌詞をちゃんと理解しながら真面目に耳を傾けてごらんなさい。(しんかい)
|