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まずこのジャケット。きゃーなんて可愛いんでしょ。ティム・マッグロウ令夫人のニューアルバムは、様々なソングライターの作品を取り上げたバラエティ豊かな内容となっている。シングルヒットした「This Kiss」のベス・ニールセン・チャップマンをはじめ、ジム・フォトグロ、以前フリートウッド・マックに在籍していたベッカ・ブラムレットとビリー・バーネット、更にシェリル・クロウなどロックファンにもお馴染みの顔ぶれがソングライティングにクレジットされている光景は、現在ミクスチャー化が進んでいるコンテンポラリー・カントリーの状況を象徴するような他流試合ぶり。そのルックスに反して彼女の歌声はかなり力強く、しっかり地に足のついた世界を聴かせておりこちらも非常に頼もしい。近年先鋭的なロックばかりが取りざたされる一方で、その流れから排除されてしまった“その他のロック”がナッシュビルあたりに結集し、更に彼女のような若い才能まで加わってここのところ大変な充実ぶりを見せ始めているという事実を雄弁に語っている一枚。(八亀)
美人である。シャナイア・トゥエインを美人と言うなら、“すこぶる”という形容詞が上に付く。顔の下半分にやや難ありとしないでもないが、すでにティム・マッグロウ夫人に収まった女性にそんな評価は無意味であろう。が、リアン・ライムズ日本未発売のこの御時世に堂々の日本盤発売の快(怪)挙も、そのビジュアルに負うところ些少であるまい。もっとも、理由はそれだけではない。この3枚目にして、ポップ・フィールドへの越境を敢行したという最大の変化がある。シングル「This Kiss」はベス・ニールセン・チャップマン、その他の曲もジム・フォトグロ、アルド・ノヴァなど80年代にお見かけした名前が作家陣に名を連ねている。ベッカ・ブラムレットとビリー・バーネットのフリートウッド・マック日雇いメンバーもいるし、ラストの曲はシェリル・クロウ作である。おかげで佳曲揃いのアルバムとなったが、残念ながらナッシュヴィル謹製の型にはまったアレンジが、ポップに脱皮しようという彼女の足を思いっきり引っ張っている。シャナイアのようなザラッとしたロック的感触に乏しいのだ。せっかくのトム・ロード・アルジェ(OMDなど経験アリ)のミックスなのに勿体ない。骨太のプロデューサーの確保が急務。(鎌田)
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