| TIKI BAR IS OPEN (2001, Vanguard) |
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オヤジ、充実。
前作はルーツ・ロック寄りの、枯れた味わいの作品だったので、やっぱり多くのベテランミュージシャンと同じように、彼も「年齢相応」の音へ移行していくものと思い込んでいた。だから、デビュー26年目にして16作目となるこのアルバムの、1曲目がやけに勢いのあるストレートなロック・ナンバーなのでちょっと驚いた。しかも、妙にいい曲じゃんか。いや、この人は昔からいい曲をたくさん書いてるし、どのアルバムにも必ず愛すべき素晴らしい曲が入っているのだが、今回はやたらと出来のいい曲が多い。これってひょっとしてオヤジの最高傑作ではないかとさえ思ってしまう。「2001年の大ベテランによる大充実作」と言えばほとんどの人がボブ・ディランを挙げるだろうが、私は迷わずこちらを推す。私の中では、まったく比較にならないほど、本作が上だ。
一直線に何も遮るものがないハイウェイをオープンカーでかっ飛ばすように疾走する「All The Lilacs In Ohio」。80年代のジョン・クーガー・メレンキャンプかトム・ペティあたりが歌いそうな「My Old Friend」。「The River」の中の1曲かと錯覚してしまいそうな「Something Broken」。ベテランならではの滋味に溢れる「Hangin' Around Here」や「Rock Of Your Life」。全曲の出来がいいので、アルバムで流して聴くのではなく、1曲ずつ聴く。そうするといかに全曲あ「いい曲」であるか実感できるだろう。 ヴァン・モリスンが隠居モードに入りつつある昨今、本作をもってジョンが私の中で「いちばん信頼できるベテラン」の座をゲットした。(しんかい)
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| CROSSING MUDDY WATERS (2000, Vanguard) |
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ヴォイス・オブ・アメリカ。全然ヒット曲とか出したことのない人だし、果たして一般のアメリカ人にどのぐらい知られてるのかわからないけど、何だかそう呼びたくなってしまう。盲目のシンガー、ジェフ・ヒーリーが、10何年か前に「Angel Eyes」という曲をヒットさせた。胸に込み上げる思いを切々と歌い上げるような、泣ける名曲だった。が、実はあれはカバーで、オリジナルはこのジョン・ハイアットなのだ。ああいう曲を書ける人、とイメージしてもらえれば、この人の音を「しみじみ」「渋い」「深みがある」とありきたりな表現を使っても、何となくイメージは伝わると思う。
フォーク、カントリー、ブルーズあたりのルーツ・ミュージックが渾然と混じったような音楽性はジャンル分けが難しく、それ故ラジオでもかからず、ヒット曲も生まれないのだろう。しかしこの人の書く独特の深みのある歌詞、地味さが魅力のメロディは、スプリングスティーンやトム・ウェイツと並び称されていい。この二人ほど強烈なキャラではないし、作品も地味だが、逆にこの二人よりも手の届きそうな、身近な感じがする。アメリカを旅行してれば、どこかの町でばったり彼に会えるんじゃないか。そんな錯覚を起こさせてくれる、ヴォイス・オブ・アメリカ。(しんかい)
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| LITTLE HEAD (1997, CAPITOL) |
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セールス面での成功とはあまり縁がないが、四半世紀近くの活動期間をほこり、数々の曲がカバーされているミュージシャンズ・ミュージシャンの通算14作目となるアルバム。それにしても心を熱くさせてくれる人だ。まず、歌声がいい。 Randy Newmanにも似た風情の鼻炎気味でしわがれたボーカルは人間的な温もりがあり、きっと人柄までがそうだと思わせる真実味がある。そして、彼の温かい視線を伴った物語性のある詞がまたよい。決して高尚になることなく、大衆的な語り口で歌われる詞は世俗の題材をうまく捉えており、そこには鋭い表現の数々がちりばめられている。彼の書く詞は温かさと同時にシニカルな部分も併せ持つところがよい。そして、演奏面では彼の眼鏡にかなった腕達者なミュージシャンによるツボを得た的確なプレイが彼をバックから支える...。このように色々な切り口からJohn Hyattの作品の魅力を語ることができるこのアルバム、聴かない理由はないと思うがいかがだろう。(信沢)
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