HEATHER HEADLEY

THIS IS WHO I AM (2003, RCA)



 西インド諸島トリニダッド出身のヘザー嬢は、ブロードウェイ・ミュージカル『アイーダ』のオリジナル・キャストで主役のアイーダを熱演(今トニ・ブラクストンが期間限定でやってる役ね)し、2000年のトニー賞主演女優賞を獲得した、ショウビズではいわばシンデレラ・ガール的なホープ。その彼女が音楽の世界にも才能の発露を広げにかかったのがこのデビューアルバム。と書くと何となく俳優さんの片手間レコードでは、という印象を持つが、なかなかどうして歌は当然達者なばかりか、サウンド面でもシェップ・クロフォード、D-インフルエンス、ジャム&ルイスといった多彩ながらいずれも腕の確かなプロデューサー陣を配した実にかっちり作られたR&Bレコードだ。ジャム&ルイス作・プロデュースのひたひたとエモーションが燃え上がるような「I Wish I Wasn't」や「Four Words From A Heartbreak」等のバラードではさすがにミュージカル・スターらしく表現力素晴らしい歌唱が楽しめるが、このアルバムがそこらの女性R&Bボーカルアルバムとちょっと趣を異にしているのは、D-インフルエンス・プロデュースによる華やかなリズミック・ナンバーの「Fallin' For You」や「Sunday」といった曲の存在。これが全体にUKソウルに通じる非アメリカ的なグルーヴを加味していい隠し味になっている。ラストを静かに締めくくるバラード「If It Wasn't For Your Love」も忘れていたものを思い出させてくれるようなそんな余韻を残してくれる。(阿多)


copyright(c) by meantime 2003 all rights reserved.
無断転載を禁じます。