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全曲、トム・ウェイツ作品のカバー。トム・ウェイツ本人がプロデュース。T-ボーン・バーネットが絶賛。これだけ揃えば、つまらない作品にはなりようがないと思った。ところが、意外と面白くない。結局全体があまりにも予定調和で終わってしまっているからだろう。今あげた情報を元に、「こんな感じだろう」と頭の中で音を想像する。で、曲目を見る。ブルージーなものや、ややアヴァンギャルド色のある曲が多く選曲されている。頭の中で更にイメージが固まる。で、このアルバムを聴く。と、まったくその想像のまんまの音が流れてくる。思った通りの音、という意味では気持ちいいんだが、すべてが予想の範囲内なので、聴いていて新鮮味がない。結局、トムのオリジナルを聴いてたほうがいいや、てなことになる。
ジョン・ハモンドは60年代から活躍する白人ブルース・シンガー。ウェイツよりも先輩だ。特に有名だとかヒットがあるというわけではないが、流石にこの道一筋30年のベテラン、独特の味を持っている。ちょっと湿り気のある、南部を感じさせる歌声は、ウェイツの作品と相性はいいのだが。
「We Are The World」を歌うために集まった時、クインシー・ジョーンズやスティービー・ワンダーは、「ディランっぽい歌い方」をボブ・ディラン本人に歌唱指導したらしい、てなエピソードを思い出してしまった。このアルバムは、トム・ウェイツ本人がプロデュースしてしまったところに敗因があるのかもしれない。(しんかい)
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