DARYL HALL/JOHN OATES

DO IT FOR LOVE (2003, U-Watch)



 ホール&オーツ。何とまあ懐かしい名前。彼らが去年ACチャートに本作のタイトル曲を久々にチャートインさせたばかりか、彼ら初のAC No.1ヒットを決めたと聞いて「なるほど彼等もACの世界に活路を見出してるのね」と妙に納得したものだが、その曲を含む本作、実は単に昔の有名ポップスターがAC向けに作ってみました、というような隠居仕事でないことは冒頭の2曲「Man On The Mission」「Do It For Love」を聴いただけでビンビンと伝わって来るのが嬉しい驚き。昔からのファン、特に「She's Gone」以来の彼等の腰の据わったフィリー・ソウル・マナーを愛するファンならこの冒頭2曲でノックアウトされることは間違いない。彼等もなんだかんだ言って50代。オーツはヒゲもさっぱり剃っちゃってえらく印象違うし、ホールは相変わらずいなせだが長めの髪にも白いものが目立つ。でもこの2曲に代表されるこのアルバムの作品群はいずれも「ヒットを狙いにいってる」のではなくホントに「歌が好きだからやってる(= "Do It For Love")」のがはっきり感じ取れて好感度大。後半にかけてややテンションが落ちるのが残念だけど、充分現役で勝負できるクオリティだ。彼等の最近のインタビューを読むと「80年代の出せばヒット状態の時も、最初の売れない頃も、そして今も音楽へのスタンスは変わってない」と地に足の付いた頼もしい発言が目に付く。ヒップホップやヘヴィー・ロックに独占されたシーンも最近ジョン・メイヤーやジェイソン・ムラーズみたいな連中が受け始めてるように、次第にメインストリーム系へと回帰しつつあるような昨今、この力強い作品は大歓迎。(阿多)
MARIGOLD SKY (1997, Push)



 いやあもう、笑うね。A-1なんか、ブリッジからサビにかけてのコード進行とかもうまんま『Say It Isn't So』だもんね。何か聴いてると10年くらい前に一瞬に戻るというタイムマシーン的トリップ感覚が楽しめる。RCAとの契約が切れて以来何枚かホールのソロは出ていたものの、とっくに過去の代名詞とばかり思っていた彼らが忽然と甦ってインディ・レーベルから出したのがこの作品。全12曲、全盛期同様二人とホールの元恋人(今でも恋人?)のサラ・アレンの作品で埋められているこのアルバム、何曲かで元アヴェレージ・ホワイト・バンドのアラン・ゴーリーが共作しているのと、オーツが髭をさっぱり剃ってるのが目新しい程度で、後はなーんにも昔と変わらぬホール&オーツ節。これをつまらないと思うか、変わらぬ良さだと思うかは、もうこれは完璧に個人の趣味の世界だが、一つ言えるのは、97年のホール&オーツに斬新さを求めるのはお門違いだと言うこと。単純に昔にひたって楽しめればいい、これはそんなとても後ろめたい楽しさに満ちた作品。全体的な楽曲のクオリティが全盛時に今一及ばないのは寂しいけど。(阿多)

 「Change Of Season」以来7年振りのニューアルバム。デュオ解消か?と言われたものだが、Hallによれば「もう一緒にやることはないと思ったことはなかった」ということなので再結成という表現はどうも当たらないようだ。個人的には2年前の来日ライヴの印象が今いちだっただけに、新作といわれてもねえ...という感じだったのだが、タワーレコードで耳にした『Promises Ain't Enough』(ファーストシングル)の素晴らしさにつられて入手したところ、あのヒット連発の80年代を彷彿とさせる充実した仕上がりでいい意味で驚かされた。彼ら自身が「昔の自分たちの焼き直しでなく同時にみんなが知ってるスタイルを保つのが最大の挑戦だったね」と表現しているが、その試みはほぼ成功していると言えよう。「あの頃のHall & Oates」が好きだった人は絶対聴いて損はない。頃よく4月に来日も決定している。神奈川県民ホール、職場から歩いて1分なんですよ私。(寺本)


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