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BULLETPROOF WALLETS (2001, Epic) |
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ゴーストフェイス・キラーという奴はウータン一派の中でもやや異色だ。基本的にどのメンバーもRZAのプロデュースによる陰鬱で単調ながら緊張感溢れ迫りくるようなトラックを使うケースが多いが、彼の場合、同様にRZAを中心としたウータンファミリーのプロデュースで一貫していながら、オールドスクール・ソウル系のサンプリングを多用すること、声の質がどうシリアスに構えてもなぜか3の線を感じさせるハスキーというか中途半端に甲高いというか一種独特のひょうきんさを備えていることから、基本的にトラック、アルバム全体の与える印象は妙に明るいものがある。最近リリースはコンスタントながら内容的にやや単調さの嫌いが出て来つつあるウータン・ファミリーの他の連中とはその辺で一線を画しているので、このアルバムも軽ーく聴けて悪くない。まあプロデューサーの連中もゴーストフェイスのキャラクターを充分承知してのことだろうけど。ひたすら軽い「The Forest」、メソッド・マンとの軽妙なフロウとダルいコーラスが楽しめる「Flowers」、ラフ・エンズをフィーチャーして、ケイス&ジョーの「Faded Pictures」という今回一番の大ネタをきもーちよくブン回している「Love Session」、ラストをいかにもウータンなトラックとスリリングなフロウで締める「Strawberry」なんかは個人的には楽しめて聴けた。だけどもこれ!という決め手のトラックに欠けるところもあり全体的な印象が薄いのがこのアルバムの良くも悪くも軽さを決定している。そういう意味ではトーンは明るくてもこいつも他のウータン・ファミリー同様、曲がり角に来てるのかも。(阿多)
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IRONMAN (1996,
Razor Sharp/Epic) |
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邦題は「ムキムキマン」だそうで...。まあ「ハードコアラップ」とか言って構えてしまって、変にシリアスに捕えすぎずに、適度な遊び心を持つのはオリジナルに忠実な姿勢だとは思うが、なにもそんな死語を引っぱり出さなくても...。これでMethod Man、Chef Raekwon、Ol'Dirty Bastard、Genius/GZAに続いて、Wu-Tang Clanから5人目のソロデビュー。チャート順位で言えば本作が最大のヒット(2位)。Ghostface Killah(以下GFK)はRaekwonのソロで既に大幅にフィーチャーされていて、今回はそのお返しか、半分以上の曲でRaekwonが参加している。プロデュースはいつも通りRZA。ということで音はRaekwonのアルバムの続編だと思えば、まあ間違いない。面白いのは、ヒップホップの連中には何故かカンフー好きな奴が多くて(Wu-Tangはその筆頭)これまでもカンフー映画から台詞をサンプリングしたりしていたが、本作ではそれが全開なのだ。しかもいかにもカンフーっぽい音楽を音材に使ってたりするから、全体の雰囲気がいかにも怪しげになる。だいたい向こうの連中のアジア観ってのは凄く歪んでるから、我々の考えるアジアっぽい音や雰囲気とはまた違うんだけど、まあ強いて言えばB級香港映画の香り、って感じかな。GFKのラップについてはもはや「まあこれ聴いとけば間違いないから」という安心品質。Method ManのようなスリルやRaekwonのような緊張感には乏しいが、非常に高い水準で安定している。(真貝)
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レイクォンのソロで大きくフィーチャーされたゴーストフェイスキラー初の自分名義のソロ作。お返しにというわけかレイクォンがフィーチャーされている。なんという堅い絆。しかも奴等の繁殖力は凄まじい。さらにカパドナという新たなMCが加わっていて三人の合作とでも呼べるものになっている。さすがWu一族。
RZAのプロダクション以前に三人のMCを堪能するならタイトル通り疾走感あるバックにMCメドレーが圧巻な「Daytona
500」がおすすめだが、「Only Built 4 Cuban Linx」に優るとも劣らないここでのRZAの音造りの冴えを無視することは誰も出来ないだろう。 以前のようにカンフー映画のSEが入ってドタバタした変態トラックが続く、といった作風はここにきて影を潜めていて、コーラス部分を音の隙間の多いシンプルなバックに乗せるという手法が代わりに多用されている。本来希望に満ちた響きを持つ「Change Is Gonna Come」を暗いトラックに混ぜて緊張感を際立たせたり、「Motherless Child」でその悲惨さを強調したり、と往年のR&B系のネタで攻めてみせることが多くなっている。このような歌モノ志向のアレンジに非凡な手腕を見せたRZAの作風は単に趣味的なものでこれ一作限りとなるのか、あるいは彼が今後このような方向へ傾倒していくのかはわからない。だが、本作が他のソロ作と比較して製作時期がより新しいことから、Wu本隊の次作の内容に関して何らかのヒントとなることは間違いない。(信沢)
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