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THE SCORE
(1996, Ruffhouse/Columbia) |
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1996年のブラック・ミュージック・シーンとMTVを語るにかかせないのがフージーズ。ローリン・ヒルのうまさはないが、女性にしてはダミ声のラップも不思議なクールさがあり、レゲエ指向(「No Woman, No Cry」のカバーをやっているからではなく「How Many Mics」の導入部分のワイクレフのラップや、「Ready Or Not」の途中で "Buffalo Soldier..."なんてフレーズを入れる趣味に見られるような)の音作りの個性とも相まって、このアルバムは1996年をいろんな意味で代表する話題作となった。「Ooh La La」のメロディが印象的な「Fu-Gee-La」や、60年代サウンド「I Only Have Eyes For You」のサンプルが強烈な「Zealots」もさることながら、このアルバムの存在感を決定的にしたのは、アメリカではシングルカットされなかったRoberta Flackのカバー「Killing Me Softly」の世界的な大ヒットである。バックに「One time...Two time」と合いの手の入るこの名曲のヒップホップカバーはヨーロッパと全米エアプレイでは絶大な人気を得て、彼らのsignature tuneとなった感がある。その他には、やたら戦士/逃亡/闘争というイメージを出し、緊迫感あふれる「Ready Or Not」や「The Score」(ここでのワイクレフのパフォーマンスは結構凄みがある)など音の完成度はかなり高い。純正アメリカンではなく(彼らはハイチ系アメリカ人で、「Fu-Gee-La」は最初UKでヒットした)、どこか異国の香りのするフージーズのこのアルバム、なぜかいつも思わず手が伸びてしまう作品です。(阿多)
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本作についてメンバーは「言葉がわからなくても聴く人の心を捉えることの出来る独自のサウンド」を目指したそうである。はたしてこのアルバムは世界的に大ヒットした。その原因は何だろうか。それは今までのヒップホップにはないニッチを突く感覚を備えたものだからだといえそうである。アルバム中聴かれるメッセージからは暴力的なメッセージを放つラッパー達に対する否定的な態度を感じ取れるだろう。彼らの音楽にはEXPLICIT LYRICSは必要ない。日本でもCFで有名だった往年のソウル・クラシックが歌われているのはヒップホップの世界では異例のこと。「No Woman No Cry」をカバーしている他、B・マーリィ関連のフレーズが幾つも飛び出してくるのも珍しい。そもそもメンバー三人のうち二人がハイチ系移民にもかかわらず何故かレゲエの影響が強いのはどういうわけか。アメリカのみならずヨーロッパで大いにウケたのはそういった多国籍感覚がエキゾチックなものとして受け取られたからだろう。それらの要素を持つことが一部で彼等の音楽が「オルタナティヴ・ヒップホップ」と呼ばれる所以なのだろうが、ヒップホップの手法をとりつつもこういう表現形態もあるのか、という目から鱗の状態なのは間違いない。「俺達はただひたすら音楽を愛している。世界中のどこへ行っても演奏する。」という発言に裏付けされる音楽に対するポジティブな姿勢が、彼らの作り出す音楽が普遍的なものとして支持を得た最大の理由に違いない。(信沢)
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