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こんなに気持ちよさそうなアレサは久しぶりだ。特にギミックもなし、今R&Bシンガーとして歌いたい歌を選び、ゆったりとしたトラックに自らの情感たっぷりのボーカルをぶつけて楽しんでいる情景が目に浮かぶ。この新作はそんな充実感と安心感に満ちている。先行シングルとなったローリン・ヒル作・プロデュースのタイトル・ナンバーがアレサとしてはあまりやったことのないタイプのジープ・ナンバーだっただけに一部に懸念を呼んだが、この曲とて、アレサがローリンに「あなた面白いからちょっと来て好きなように音作ってご覧なさいよ」的に作らせた非予定調和的なサウンドに巧く自分の歌を乗せて喜んでる、ってな感じにも聞こえてしまうくらい、このアルバムは「アレサのアルバム」であることがビンビンに伝わってくる。自身のプロデュースは1曲だけだが、D.オースティンを始めとする当代一流の各プロデューサーたちもアレサの意を受けて全体のトータル感作りに貢献しているだけのように聞こえる。パフィ・コムズがギミック無しで素晴らしいR&Bトラックを仕上げ、アレサもそれを楽々乗りこなしている『Never Leave You Again』は特に象徴的。(阿多)
若手台頭のR&Bの世界だが、腐るほどキッズ・グループを聞いた後にこういうアルバムを耳にすると、やっぱエエわ、と思わざるを得ない。さらに凄いと思うのが、現在の音作りをしているバックのプロダクションと歌がちゃんと拮抗しているところ。とくに1曲目のタイトル曲、フージーズのローリン・ヒルがプロデュースしているんだけど、エディ・ブリケルの「ホワット・アイ・アム」をネタにキャッチーなストリングスを絡ませて、ちゃんとヒップホップ・マナーの曲に仕上げているところはお見事。その他のトラックも手抜きなし、と言うより、アレサ御大にお手合わせさせてもらっているような力関係での、それぞれ歌を引き立てるような丁寧な仕事ぶり。パフィ・コームズ、JD、ダリル・シモンズ、ダラス・オースティン、ナラダ・マイケル・ウォルデンと、錚々たるプロデューサー陣の中では、前述のローリン・ヒルを別にすれば、わざと軽い曲調にして歌の力みを抑えたダリル・シモンズと、デスティニーズ・チャイルドが歌っても違和感ない音作りのダラスが好調。最後は本人のプロデュース曲で締める。(鎌田)
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