FOUNTAINS OF WAYNE

WELCOME INTERSTATE MANAGERS (2003, S-Curve / Capitol)



 前作『Utopia Parkway』のレビューでも言ったが、もう一度繰り返す。アダム・シュレシンジャー率いるファウンテンズ・オブ・ウェインは当代一のパワー・ポップ・メイカーだ。前作から4年ぶりにリリースされたこの新作はジャケの地味さにちょっと引いたが、CDプレイヤーに放り込んで1曲目の「Mexican Wine」が流れて来たところでちょっと安心、続く「Bright Future In Sales」のサビの既視(聴?)感満点のパワーポップなメロディで「そうそうこれこれ」とほくそ笑み、3曲目の「Stacy's Mom」にいたってはイントロからサビからエンディングまで大笑いしっぱなし。70年代ポップと80年代MTVヒットのおいしいところを決してダサくならずに見事にパワーポップ珠玉の作品集に仕立て上げているところは改めてアダムとクリスの手腕に唸るばかり。タッパンジー橋(NY北部にあるハドソン川を跨ぐ大橋。言ってみればNY郊外居住者/NJ居住者に取ってのレインボーブリッジか)の渋滞の中毎日通勤する日常に耐えられない男や、TVでクリストファー・ウォーケンにインタビューするキャスターになった学生時代の同級生を想いながら毎日地元のハッケンサック(NJの一郊外都市)で親父の家業である内装業を手伝う男など、相変わらずNY/NJ郊外を舞台にどこか物哀しいけど思わずニヤリとしてしまうような登場人物満載のこの新作、「Stacy's Mom」のヒットでようやく時代も追い付いて来たようだしこれを機会にもっとたくさんの人の耳に届くことを期待。(阿多)
FOUNTAINS OF WAYNE (1996, TAG/Atlantic)



 ニューヨークでIVYというバンドで活動していた(る?)、また「THAT THING YOU DO!」の主題歌を手懸けた事でも知られるアダム・シュルシンガーと彼の大学時代の友人であるクリス・コリングウッドとで結成されたポップ・デュオのデビュー作。ここにも「3分間ポップス」の魅力にとりつかれた男達がいる。グランジ/オルタナティヴのバンド達への嫌悪感を表明した「PLEASE DON'T ROCK ME TONIGHT」なんて曲があるくらいで、そのメロディアスなポップスへのこだわりは相当なものだ。“BABY BABY BABY”なんていう使い古されたフレーズをこれほど魅力的に聴かせることができるのか、とうならされる冒頭の「RADIATION VIBE」(NME紙シングル・オブ・ザ・ウィーク)から粒ぞろいの楽曲が並んでいる。変にお勉強しました、みたいな嫌味がないのがいい。少し押しの弱いところでマニア受けの存在で終わってしまいそうなのが惜しいけど。7曲目「SICK DAY」が何気ない日常を描いた歌詞、曲ともベストトラック。(野坂)


copyright(c) by meantime 1996-2003 all rights reserved.
無断転載を禁じます。