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オリジナル曲集としては『マムーナ』から8年振り、カバー曲集『As Time Goes by〜時の過ぎゆくままに』から3年振り、二枚目男ブライアン・フェリーの11枚目のソロ作は、その両方の要素がミックスされたアルバムです。本作最大の話題は、ブライアン・イーノとの復縁でしょうか?しかし、ブライアン同士の確執から30年、「Tokyo Joe」でファンになったような人達には全くアピールしないセールス・ポイントかもしれません。そういう人達には、ユーリズミックスのデイヴ・スチュワートとの4曲のコラボレーションや、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドがゲスト参加した「Hiroshima」(反戦歌ではなく「広島」という女性の魅力を称えた歌のようです)の方が、まだ興味を引くことでしょう。あるいは、ボブ・ディランを2曲もカバーしたことかもしれません。
しかし、本作最大の意外性は、サウンドそのもの、即ちカントリー・ミュージック指向だと思います。スライド奏法を多用したリード・ギター、歯切れのよいリズム・ギター、フィドルと呼ぶ方がふさわしいバイオリンの音色などに顕著です。「Tokyo Joe」の続編的作品の「Cruel」の耳触りの違いからも感じ取れると思います。もっとも、イギリス人の奏でるカントリーは、本場アメリカで主流を行くものとは異なります。もっとルーツ志向が強く、カントリー&ウェスタンとかブルーグラスっぽいサウンドです。とはいえ、英米の風土の違いがそのまま音の温度差になっているのは面白いです。もちろん、「Nobody Loves Me」や「San Simeon」など、ロキシー時代から紡いできたダークな耽美さを湛えた曲も、ちゃんと収められています。そのためカントリー志向はどこか歯切れが悪くて、ブライアン・フェリーらしい気色の悪さを醸し出すことに成功しています。(真田)
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