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FAITHFULLY
(2001, Bad Boy/Arista) |

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パフィ、もといP.ディディの時世に乗った巧みなプロデューサーワークは今更説明の要もないが、彼も不思議にフェイスとタッグを組む時は普通以上に気合いが入ると見えてフェイス3年ぶりの新作となるこのアルバム、前作の『Keep The Faith』をある意味上回る出来に仕上がっている。前作のアーバンなビートをバックに全体を爽やかなフェイスの歌声と巧みにトラックに組み込まれたグルーヴが脈々と脈打つような洗練されたトラック作りとはある意味好対照で、今回のアルバムはどれを取っても70〜80年代ソウルを彷彿させるようなローな味わいと不思議なクラシックなグルーヴが全体を統一感を持って包み込んでいるような感じ。客演プロデューサーであるネプチューンズの手がけたダイアナ・ロスみたいなバウンシング・ナンバー「Burinin' Up」やパフィ軍団のお株を奪うようなクワイエット・ストーム仕様のバックワイルドによるバラード「I Love You」なんかも不思議にこの全体の統一感のなかで違和感がない。いや、どころかうまくパフィ軍団のプロデュース・ワークを補完しているような出来だ。アナログ・レコードを思わせるようなドンシャリ系の音処理があちこちに施してあるのもこのオールド・スクールな雰囲気を盛り上げるのに役立っている。
そして主役のフェイスの歌。この人もアルバムごとに歌の表情が多岐にかつ情感豊かになってきている、というと誉めすぎか。パフィらしい王道サンプリングも全体的にリズムトラック的にしか使われておらず(一番耳につくのがアルバムタイトル曲でのエムトゥーメイ「Juicy Fruit」使いくらい)あくまでパフィ軍団の仕事もフェイスの歌の引き立て役に徹しているのも全体の完成度を高めるのに貢献している。こういう仕事をきっちり仕上げたパフィも今更ながら見直したが、今のアーバン/R&B系の女性シンガーの中でかくもギミックを抑えて王道を表現できるシンガーも少なくなっている中、フェイスのこの作品は高く評価すべき。
より洗練されたイメージをお好みの向きには前作がお奨めだが、もっとローなソウルの美しさを感じたい向きにはこのアルバムがおすすめだ。ハーレムのアパートメントの一室でオールナイト・パーティが終わって明け方に一息つく、なーんてなシチュエーションに「Love Can't Hide」なんかがラジオから流れてきたらぞくぞくっとするに違いない。このアルバムにはそんなことをふと思ってしまうような情感が溢れている。いいぞフェイス、この調子だ。また次のアルバムが楽しみになったぞ。(阿多)
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KEEP THE FAITH
(1998, Bad Boy / Arista) |

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いやあ、これはいいですよ。とろけるとろける。パフィ軍団の卓越したプロデュース・ワークとソウル・ディーヴァ、フェイスのミュージシャンシップの絶妙の相互作用の結果、見事に作り上げられたR&B/スロウジャム世界はあの素晴らしかった前作のカタルシスの再現に成功している。もともとパフィ軍団はオールド・スクール系の音作りをベースにした仕事にその真価を発揮することはメアリーJのセカンドやビギーのファーストで既に証明済みだが、このアルバムでもスティーヴィーJ、チャッキー・トンプソン、ロン"エーメン・ラ"ローレンスといった手慣れた職人連中が無茶苦茶いい仕事をしている。そういった彼らの「All Night Long」「Life Will Pass You By」なんていう極上のチューンにのったフェイスのボーカルも相変わらず腰が座っていながらひたすらしなやかだし、その一方ベイビーフェイスの「Never Gonna Let You Go」で気持ちよく歌う彼女のパフォーマンスはさすが。特に失った恋人への思いを切々と歌い、彼女のビギーへの想いを重ねてしまうアルバム最後のスティーヴィーJとダイアン・ウォーレン作「Lately I」は心に迫る。(阿多)
90年代R&Bの古典「Faith」発表以降、シンガーとして、またソングライター、プロデューサーとしてもシーンに特別なポジションを築いてしまったフェイス・エヴァンス待望のセカンドアルバム。このアルバムを初めて聴いた時は正直いって少々戸惑った。冒頭2曲のややハード目の曲調にラップがのる展開(しかもパフィが登場!)はファーストで夫のビギーさえもラップで参加させなかった彼女の姿勢を誇らしく思っていた自分にとってはショックだったし、このまま最後までいってしまったらどうしようかとの不安もかきたてられた。結果的にこの危惧は杞憂に終わり、以降は前作同様メロウでセンシティヴな彼女の世界が堪能できるのだが、前作と比べ今回はこれまでのスタイリッシュなものからもっと生々しさを持ったものへの移行という意図が感じられ、絶賛を受けた一作目で確立されたイメージが、実は彼女にとってやや窮屈なものだったのではないか?などと邪推もしたくなる。個人的には一作目の完成された世界に惹かれるが、取り敢えずは今後の充実した作品が生み出される過程にある一作として評価しておきたい。(八亀)
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