MARK EITZEL

60 WATT SILVER LINING (1996, Warner Bros.)

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いつの間にか解散していたアメリカン・ミュージック・クラブ、そのリーダーだった彼のソロ作。基本的にはバンド時代のサウンドを踏襲しているが、本作は自らが「フェイク・ジャズ・アルバム」と称しているように、バンドの一つの特徴だったサイケデリックなギターは抑えられ、ピアノを主体にそこにトランペットが彩りを添えるといった非常に落ち着いた音作り。これが渋い。じっくり腰を据えて微細な音の響きにまで耳を傾けなければ味わいつくせないほど深みのある世界である。もともとソングライターとして評価の高い人だが、ここに収められた楽曲の質の高さはきわめつきだ。少しくすんだ色合いの、ゆったりと、深く沈みこんでいくようなメロディーも、詩的で含蓄に富んだ歌詞も聴く度にじわじわとしみてくる。地味といえばこれほど地味な作品もないが、夜一人、部屋で聴くには最高のアルバムだ。90年代の「CLOSING TIME」と呼んでも決してほめすぎにはならないだろう。(野坂)



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