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S・スピルバーグが創設した新レーベルの第一弾となるこの作品、しかしそんな派手な話題とはかけ離れた暗く、そしてリアルな「痛み」が伝わってくるようなむき出しのアルバムである。前号で紹介したシンガーソングライター、Eが新たに結成したスリーピースのバンドの1作目。プロデューサーはベックの最新作を手懸けたダスト・ブラザースのマイケル・シンプソンだがその作風は大分異なる、言って見ればベックの音作りが「足し算」だとすると、彼等は「引き算」なのだ。サンプリングで音を埋め尽くすのではなく、必要最小限のサウンドをうまく生かすことで音に奥行きを与え、その音と音との間にひんやりとした空気が醸し出されている。だからシンプルでざらついた感触の彼等の音には不思議なみずみずしさがあるのだ。それにソロ作にあったわかりやすい60年代的メロディーは後退しているものの、やはりこの人はいい曲を書く。特にRANDY NEWMANをほうふつとさせるようなピアノをバックに歌われる静かなナンバーは秀逸。(野坂)
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