DOVES

THE LAST BROADCAST (2002, Heavenly)
ここでこのアルバムが買えます  一昨年のデビュー作「Lost Souls」が一部で高く評価されたマンチェスター出身の3ピース・バンド。遡れば93年に「Ain't No Love (Ain't No Use)」のクラブヒットを放ったユニットSub Subがスタジオ火事を期にロック・バンドに生まれ変わったのが彼らである。とはいえマンチェ特有の雑多な音楽性がベースにあるためか、極めてクオリティの高いバンドに成長している。前作ではメランコリックな世界観を凝縮した音作りだったのが、本作では生まれ変わったかのように明るく前向きな曲が詰まっている。ファーストシングルの「There Goes The Fear」は7分近い大作だが、単調なようで少しずつ広がりを見せながらエンディングへ向かっていくメロディーラインは圧巻である。「Words 」やセカンドシングルの「Pounding」も一筋の希望の光を前方に感じながら、それに向かってまっすぐ疾走していくタイプの曲だ。ライヴで会場全体が一つになって口ずさめるアンセムっぽい楽曲がこんなにハマるバンドだったとは嬉しい驚き。存在感に派手さがないためマニックスのような地位にのぼりつめることはなさそうだが、その資格に十分な実力が潜在している。前作の雰囲気を引継いだ物憂い題材の「Caught By The River 」も音を聴いている限りでは暖かさを内包した壮大さで迫ってくる。本年のFUJI ROCKでは日本の地でステージを披露した彼ら、また本作のような深みのある作品を携えて戻ってきてほしい。(中村)


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