CELINE DION

ONE HEART (2003, Epic)



 出産・育児のために音楽活動を休止していたセリーヌ・ディオンはアルバム『A New Day Has Come』のリリースにより第2ステージに登ることとなった。子供が産まれ、母となった彼女の中で、表現する音楽が変わっていったことがその原因だろう。その後1年ほどでリリースされたアルバム『One Heart』はラス・ヴェガスのシーザー・パレスで行われる歌・演劇・ダンスなどの要素を取り入れたエンターテインメントショー『A New Day…』の公演に合わせてリリースされたもの。先行シングル「I Drove All Night」(シンディ・ローパーのカバー)はシングルとしてはあまりヒットしなかったものの、アメリカでクライスラーのCMに本人が出演していたこととそれまでのセリーヌ人気も手伝い、ビルボードアルバムチャートでは2位に初登場した。「『A New Day…』を見られないファンの為にアルバムを作ったの。将来はDVDも出したい」というファン思い(?)のセリーヌ・ディオン。『A New Day…』は年間200公演を3年にわたり行うとのことなので、ラス・ヴェガスに行く機会のあるセリーヌ・ファンは、ぜひ『One Heart』を聴いて、『A New Day…』を見ることをお勧めする。今後セリーヌ・ディオンがどのような活動をしていくのかが楽しみだ。(かん)
A NEW DAY HAS COME (2002, Epic)



 強い人だと思う。順風満帆の音楽活動をも中断するほどの強い想い。愛する夫と過ごす時間を作り、最愛の息子を得た空白時間。時間を取る事と、再び音楽シーンに戻ろうとする強い意思が彼女にはある。完全休養はそれなりに時間をかけると思っていたが、意外にその時間は短かった。'99年大晦日でのコンサートを最後に長期休養に入ったセリーヌだが、息子の出産とほぼ同時に完全な休養は終えてしまい、このアルバムのための選曲作業に入ったと言う。レコーディングされた30前後の曲から絞り込まれた17曲が、1枚のアルバムとなり、音楽シーンへの復帰を彩っている。英語版オリジナル・アルバムとしては、'97年の「Let's Talk About Love」以来4年4ヶ月ぶりだが、その間新曲の入ったベスト盤や、フランス語アルバムが発表されていたので、さほど間が空いた、と言う印象はない。キャリアの第2幕を飾るにあたり、何か変わった、というわけではない。むしろ変わらぬ強さがある。プロデュース、ライター陣も相変わらず豪華で多彩。各曲も様々な色合いを見せている。人々を魅了するバラード群は豊富。子供を授かった喜びを希望に満ちたメロディに乗せた、アルド・ノヴァのペンによるタイトル曲。母親への感謝と別れを切々と歌った「Goodbye's(The Saddest Word)」は、ロバート・ジョン“マット”ラングの曲で、一度は歌うことを辞退した曲。コーリー・ハートの「Prayer」、壮大な「I Surrender」など。ジャジーな曲からダンスビートまでちりばめて、なお自分のスタイルを貫いている。1児の母親となり、強さに包み込むような優しさと奥行を携えて、これからもセリーヌは輝いて行く事だろう。見事な1枚だ。(小松)
THESE ARE SPECIAL TIMES (1998, Epic)



 D.FosterプロデュースのCelineのX*masアルバムときくと、それだけである種のイメージができて、お腹いっぱいな人もいそうだが、でもいいものはいい! X*masと無関係な曲も含め、話題のオリジナル曲も7曲収録し、ただのX*masアルバム以上の、ひょっとしたら彼女最後のオリジナル(ミニ)アルバム的な価値もありそう。D.Warren作のタイトル曲、B.Adams作の新曲、アニメQuest For CamelotのサントラでCelineとオペラ歌手A.Bocelliが各々ソロで歌った曲の二人でのデュオVer.、さらに例のR.KellyとのNo1ヒットも収録。定番曲のカバーも多彩で、いわゆるTraditionalの他、Lennon, Presley, Mel Torme, さらにはX*mas曲ではないが、クラシックのブラームスの子守歌も歌ってて、これがまたいい。彼女の両親と13人の兄姉が一緒に2曲歌ってるのはご愛敬だが、知らずに聞いたら、まともなコーラス隊と思うくらいうまいのは、やはり血筋のよう。神聖なX*masの夜に最適で、ほんとうに心があらわれる。ラストの日本のみボーナス曲のタイタニックの曲のカラオケVer.は、唐突に俗っぽさがでて、やや違和感があるが。(窪田)
LET'S TALK ABOUT LOVE (1997, 550 Music/Epic)



 まさに Born To Be ”大ヒット” なアルバムの典型。豪華なゲストが顔見せで終わらない多彩かつ完成度の高い作品群。アルバムチャートとグラミーを制した前作をあっさり超えて更なる極みに到達した彼女の最高傑作にして、90年代のポップスアルバムの代表作。新旧女王の競艶となったBarbra Streisand とのデュエットは勿論、大ヒット映画「タイタニック」のエンディング曲、お得意のカバーはLeo Sayer 77年No.1ヒットの名曲、日本だけだが連ドラ「イブ」の挿入歌、とゲストがらみ以外でも話題曲満載。話題曲以外も印象的な曲ばかり。80年代だったら、大ヒットシングルを5,6曲は量産してたろう。1月末時点でUSでは依然シングルカットがないが、これだけ粒揃いだとどれでいくか正直悩むよね。最後に、多彩なゲストの名前を羅列。Carole King、Bee Gees、Diana King、David Foster、Bryan Adams、Steve Porcaro(元TOTO)...知らない人が見たらオムニバスアルバムだと思うだろうな。(窪田)
FALLING INTO YOU (1996, 550 Music)



No.1 シングルを2曲もつ彼女が、ついにアルバムでも頂点を極めた快心作。いかにもJim Steinman というドラマチックな大作、「It's All Coming Back To Me Now」(最高位2位。マカレナさえなきゃ.. ) で始まり、次がNo.1 の 「Because You Loved Me」。これらがすごい分、後が地味に淡々と流れてる感もあるけど、カバーもの大熱唱で聴き物(Eric Carmen の76年の名曲 「All By Myself」と Supremesの69年 No.1 の「River Deep Mountain High」) 。この手は合わない人にはほんとに暑苦しいだけかもしれないが、ごく普通の人にはすごくわかりやすいきれいな曲ばかりだし、実際売れまくってる。多分グラミーも何かとるのでは?国内盤は、連ドラ主題でオリコン1位の 「To Love You More」 も収録しお買得。同シングルの売上は140万枚と安室や華原の上をいき、洋楽では異例の超特大ヒット。UKでは、USではこけた「Think Twice」が、一昨年大ヒットだし、仏語圏でも仏語盤が独自の大ヒット。まさに世界のCeline!(窪田)


copyright(c) by meantime 1996-2003 all rights reserved.
無断転載を禁じます。