DEPECHE MODE

EXCITER (2001, Mute/Reprise)
ここでこのアルバムが買えます  サウンドの要であったアラン・ワイルダー脱退後、模索し続けるデペッシュ・モード。前作ではボム・ザ・ベースのティム・シムノンを制作に迎えたものの、どうもマッチングが今ひとつだったようだ。今回起用したのはLFO(B級アイドルじゃなくてテクノの人)のマーク・ベル、これが大正解で、ミニマルながら研ぎ澄まされた音の感触が『Violator』を彷彿させる傑作となった。とはいえ最初のシングル「Dream On」に見られるようなアコースティックな音へのこだわりや、随所に見られるR&Bのリズム、久々にインスト・ナンバーを収録していることなど、新たな試みも感じられる。しかしマーティンの書くメロディにデイヴのヴォーカルが乗るとデペ節そのもので、テンポの速い「I Feel Loved」などは80年代のヒット曲のよう。前作ではデイヴがヤク中から復帰したばかりということで、ヴォーカルにぎこちなさが残っていたが、今ではすっかり体調も復帰したようだ。『Songs Of Faith And Devotion』以降の暗さについていけなくなった昔のリスナーにも、本作だったら受け入れてもらえるかもしれない。 (松本)
ULTRA (1997, Mute)
ここでこのアルバムが買えます サウンド面の鍵を握るメンバーであったアラン・ワイルダーの脱退、そしてデヴィッド・ガーンのドラッグ禍と自殺未遂騒動というバンド史上最大の危機を乗り越えての4年振りの新作。しかしここにはそんな事件など何もおこらなかったかのようにいつもと変わらないデペッシュ・モードがいる。新しいサウンドを取り入れようと無理をして作品の質を落としてしまうよりも、自分達のサウンドをさらに掘り下げる、という方法論の徹底ぶりはこの音と楽曲の充実ぶりによく表われている。「VIOLATOR」を聴いた時もそのこれ以上ないというサウンドのクォリティーの高さに驚かされたのだが、本作ではその音の重々しさ、なめらかさ、そして耳から吸い込まれていきそうなサウンド・スケープの奥深さは、さらに一段スケールアップしているのだから恐れ入る。是非大音量で聴くことをおすすめしたい。シングル向きのポップな曲が1曲もないから熱心なファン以外には少々息苦しく感じられるかもしれないが、それだけ完成された世界がここにはあるのだ。(野坂)


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