DEF LEPPARD

X (2002, Island)
ここでこのアルバムが買えます  アイアン・メイデンらと共に80年代初頭、NWOBHM(ニュー・ウエイヴ・オブ・ブリティッシュ・へヴィ・メタル)の代表格として、イギリスから世界に発信されたのがルーツの彼等だが、同時期同傾向の出身の他のバンドと比べ、へヴィネスを追求しなかったことが商業的な成功に結びついてきた生き残りなのか、現在もコンスタントにアルバム・チャートのトップ10に作品を送り込んでいる。
さて、そんな彼等の今回の作品は、正に「不変にして不滅」と伊藤政則氏をも頷かせたファンの期待通りの内容となった。もともとリーダー格のジョー・エリオット(Vo)はリスナー指向が強く、インタビュー記事などを読んでも、「アイアン・メイデンがどうのこうの〜〜」とか、「様式美が〜〜」とかの、メタル系特有の狭い範囲での話しが殆ど聞かれず、L・L・クール・Jに影響されて「Let's Get Rocked」を書いたとメタル雑誌のインタビューアーに答えるほどに、ポップ市場というものを意識している(だってメタルの奴にL・Lの名前出したって...ねぇ)。通常HR/HM系のミュージシャンで、ツインギターのバンドのメンバーだったら、ミュージシャンズ・ミュージックについての会話に終始してしまうことも多い中、リスナー(主にチャートとかポップスのファン)に対するサーヴィス精神(勿論ジョーが何千枚ものCDを持つリスナーとしても有名だが)が旺盛であるという店で好感が持てる。
うっかり話は脱線したが、アルバム収録曲を紹介したい。先ず先行カットで1曲目の「Now」は、これまでの彼等の路線にややダークさを加えた作品で、彼等の新しい魅力が発見できる仕上がり。5曲目でセカンドカットという噂の「Long Long Way To Go」は、珍しく外部作家起用の壮大なバラード。ジョーも「ウエストライフっぽいだろ?」とご機嫌。6曲目の「Four Letter Word」は俺の一番のお気に入り。80年代の彼等の作品に近い勢いを感じる作品。9曲目の「Gravity」は、これまた俺好みのファンキー・ナンバーで、アルバム『Slang』が好きな人にはお勧め。ジョーのラップ?も聴ける!ということで、もう少し紹介したいが文字数の関係もありここまでとするが、全体的にはジョーのヴォーカルを前面に出した作品になっていて、収録曲の殆どの曲にギター・ソロが無いのも特徴的な、比較的ポップなアルバムである。ジャケのアートワークには若干の不愉快さが付き纏うが、大人が安心して聴ける上質なアルバムと言えよう。が、元気の良い若いリスナーには、さしずめ馬鹿にされそうな感じも無いとは言い切れない(笑)話の分かる30歳以上の方に宜しくどうぞ。(奥村)


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