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才人である。サントラ「Hoodlum」にも収録の(3)は,ヒップホップソウルを通過した時代の音としての響きがあったが,そこから覗えたのはこのデビューアルバムに詰め込まれているエッセンスのほんの一部にしか過ぎなかったのだ。Wonder/Brownによる(6)を除いて全曲がDavinaもしくは彼女と他者との共作。さらに,多くのナンバーで楽器のプログラミングを行うにとどまらずプロデュースまで担当,単なるシンガーというよりはサウンドクリエイターとしての天分がありそうだ。ボーカルはテクニックを駆使するというタイプではないが瑞々しく,(13)のようなコンボ形態のジャズにもソウル感覚を残しつつ違和感なく溶け込む器用さがある。オーケストラも挿入した7分近いバラードの大作(12)や(7)に顕著なように,アルバム全体の印象は70年代後半のソウルやフュージョンの要素を多く取り入れたヒップホップソウル。自己のアルバムだけでなく,サウンドクリエイターとして他アーティストをどのように演出するかその活躍が非常に楽しみだ。(信沢)
「Come Over To My Place」がポップチャートでも小ヒットとなった女性R&Bシンガーのデビューアルバム。特筆すべきはマイケル・ジャクソンの「I Can't Help It」のカバー(非常にシンプルな作りのアルバムの中、この曲だけカラフルなサウンドで少々面喰らってしまう)を除くすべての曲のソングライティングとアルバム全般のプロデュース、更に殆どの楽器の演奏とプログラミングまで彼女が一人でやってしまっている点だろう。彼女の音楽性はいわゆる“R&B新伝承派”の流れに位置しており、打ち込み中心のシンプルなサウンドにのせて彼女は時にブルージーに、時にジャジーに語りかけるような歌を聴かせる。決してその声帯の逞しさを誇示するようなデーヴァ系ボーカリストではない彼女だが(声の印象は“やせっぽちのフェイス・エヴァンス”といった感じ)、それがかえってR&B系シンガーソングライター的雰囲気を盛り上げていて、これはこれでなかなか中毒性が高い。夜、できればあまり人数の多くない環境で酒でも飲みながらしみじみと味わいたい一枚。(八亀)
いかにもUKソウルといったアーシーな曲調とバックの演奏(たまに使用されるシンセベースがイマジネーションあたりを思い起こさせるが)で全体が統一されたダヴィナのデビューアルバムだが当の本人はデトロイト出身。スマートでグルーヴ感溢れるマイケル・ジャクソンのカバー『I Can't Help It』以外はアルバムの全曲を自作、プロデュースからアレンジ、はては演奏まで全て自分でやってのけるという新人ばなれした才能の持ち主だ。曲調はどれもヒップホップの香りを漂わせたジャジーな曲が多く、リズムセクションを軸にしたグルーヴ感を大切にしているな、という感じの曲が多い。最近のラウド・レーベルからの新人は、昨年のエイドリアナ・エヴァンスやイヴェット・ミッシェルなどR&Bを大きな軸とした好アーティストが続いているが、このダヴィナも彼女らに負けずとも劣らぬ素質とみた。まだファーストだけに全体抑え気味で地味目だが、マルチ・タレンテッドだけに今後成長が楽しみだ。(阿多)
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