DJ QUIK

UNDER THE INFLUENCE (2002, Bungalo/Universal)
ここでこのアルバムが買えます  いよいよ今回大ブレイクか!?と期待させといて、実は全然売れなかったDJクイック。90年代西海岸の最重要ラッパー/クリエイターの一人でありながら、なかなかヒットには恵まれない。最近はドクター・ドレと接近したり、トゥルース・ハーツに大ヒット曲「Addictive」を提供したり、エグジビット並ぐらいにはブレイクできる状況だったと思うのだが。  ドレ製作曲が1曲ある他はすべてセルフ・プロデュース。いずれも生楽器の音を中心に組み立てたファンク・トラック。彼の初期作品に比べると、何も考えずに楽しめる単純明快さがやや後退し、少し技巧的になってきている気はするが、単なるラッパーではなく、トータルなサウンドクリエイター気質の彼ならではのグルーヴが全体に貫かれる。全曲が80点以上の出来なのは凄いのだが、ちょっと残念なのは90点以上の曲がなかったこと。もともとクイックのファンなら「アルバム全体を楽しむ」ことができるだろうが、そうでない人にはやっぱりきっかけになる1曲が欲しいところだろう。  実はかなり完成度の高いアルバムなのだが、万人向けとは言えないので敢えて苦言を呈しておいた。ウエッサイ好きなら聴いといて間違いない。(しんかい)
BALANCE AND OPTIONS (2000, Arista)
ここでこのアルバムが買えます この人の音は、ヒップホップではなくファンクと呼ぶべきである。94年ぐらいに流行った西海岸サウンドを、こいつは職人技の如く頑なに守り続けている。打ち込みの、軽くハネる身のこなしがしなやかなビートに、生演奏のベースやキーボードが重なり、そこに軽妙なクイックのラップがのっかる。
クイックはDJと名乗るぐらいなので自分で音作りも手掛けるが、ラッパーでもある。その意味ではDr.ドレに似た位置づけの人だ。声はむしろイージーE似だが、ラップの実力は両者より確実に上だ。ラップもできて、トラックも作れて、ちゃんと自分らしい特色のあるサウンドをもっている。もっともっと高く評価されて然るべき人なのだが、西海岸でしかまともに相手にされていないようだ。
今回も「いつも通り」と言ってしまえばそれまでだけど、彼らしい絶妙のファンクを聴かせてくれている。逆に言えばいつも通りなので、たいして売れることもないし、特に新鮮味もない。だから話題にもならず、あっという間に忘れ去られる。今までDJクイックを聴いたことがない人に、積極的にこのアルバムを推薦するきっかけもない。...って、これじゃ一生聴かれずに終わってしまいそうなので、このレビューを読んだのをきっかけに、ぜひ聴いてみて下さい。90年代前半の西のラップが好きなら間違いなくハマるはず。(しんかい)


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