SHERYL CROW

C'MON, C'MON (2002, A&M/Interscope)



 98年の『Globe Sessions』以来、3年半ぶりとなる4作目のアルバム。99年にライブ盤の発表があったとはいえ、彼女にしては少し長めのインターヴァルを置いた感がある。
 前作が多少重めの音とムードで構成されていたのに対して、今作ではそれ以前の軽快で爽やかな路線に回帰した感がある。シングルにもなった一曲目「Steve McQueen」・二曲目「Soak Up The Sun」の雰囲気がアルバムを通して体感できる作りになっている。曲の出来の良さは過去の彼女の作品の中でもトップクラス。敢えて難を言えば、比較的似たような曲が並んだためにアルバム全体が小さくまとまってしまった感があり、一通り聴き終わっても印象がイマイチ残らないような気がするけれど、彼女の気持ちいい楽曲を楽しめる作品なのだからそんな細かいことは気にしない方向で。先日行われた来日公演もこのアルバムの収録曲を中心に大いに盛り上がったようで、彼女の持ち味が存分に発揮された作品なのであろう。以前から親交の深いドン・ヘンリーと共演した珠玉のバラード#6「It's So Easy」は要チェック。(小川ボ)
THE GLOBE SESSIONS (1998, A&M)



 か、かっこいい。粋なりりしさと骨太さと歌心と内容的になかなか深い詞の組み合わせは従来からのシェリルの魅力だったのだが、このアルバムではそれが更にカチッと形を固めて、さらにナタのような鋭さを加えてきたな、というのが印象。鋭さというのは何かというと、例えばビートルズのホワイト・アルバムに通ずるような一見(一聴)荒削りで生々しいパワーを放っているようでいて、実は音の取り方とか演奏やボーカルのタイミングがかなり周到に計算されていて、結果としてズドンと切れるような迫力を感じさせる何かがこのアルバムにはある。ギターの切れ味鋭い「There Goes The Neighborhood」や後半2分で楽曲の表情が全く変わり、ひたすらパワーを感じさせる「Am I Getting Through (Part I & II)」などその最たるもの。同時に「Anything But Down」のようにレイドバックしながらもひりりとした男女関係をパワーポップ的楽曲に乗せて歌うような従来のシェリルの魅力を再確認させる曲もあり、全体的な作り込みの割にはラフな感触を損なってない好盤。グラミー獲得もむべなるかな、である。(阿多)
SHERYL CROW (1996, A&M)



僕の周りの70年代にアメリカンロック(特にウェストコーストもの)を聴きまくってた連中は一様に『「All I Wanna Do」は久々に鳥肌もんだった』と言ってた。僕も同様で、最初にあの曲を聴いたときは、はらわたをかき回されるような何とも言えない興奮を覚えいてもたってもいられなくなり、CDシングルを買いに走ったのを覚えている。その前作ではスライドギターの音色の向こうから彼女の存在感みたいなものがじわじわと伝わってきたが、今回の新作ではその伝わり方がややストレートである他は、基本的に前作での彼女から大きく変化はない。音も、若干エレクトリックなサウンドが増えたことが変化と言えば変化だが、それも詞の内容表現には効果的な結果を生んでいる。スピリチュアルな内容の「Redemption Day」、現状問題提起型の「Love Is A Good Thing」、夫婦愛の崩壊を淡々と語る迫力に満ちた「Home」などは聴きものである。(阿多)


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