COUNTING CROWS

HARD CANDY (2002, Geffen/Interscope)



 大ヒットはしなかったものの、相変わらずのカウンティング・クロウズ節を堪能させてくれた前作『This Desert Life』からいつものように3年のインターヴァルを置いて発表されたこの新作は、タイトルにイメージを合わせるかのようなレトロなキャンディ・ボックスをあしらったジャケでCDプレイヤーに盤を入れる前から期待を高めてくれる。今回はプロデュースをこの間デイヴ・マシューズにクビになったベテランのスティーヴ・リリーホワイトというちょっと耳を疑う人選だったが、結果から言ってこの組み合わせは大成功。アダム・デューリッツのボーカルとバンドの繰り出すアーシーでゆったりとしたリズムが醸し出す各トラックの音の粒立ちというか存在感がとても全面に出ていて、いつも以上にクロウズの音にのめり込むことができる。
 最近あちこちの客演でいい味を出しているシェリル・クローをバックに迎えたジャンピーで楽しい「American Girls」のようなナンバーもいいが、何といっても本盤の白眉はあのライアン・ホワイトとアダムが共作した歌い出しからして鳥肌の立つような雰囲気たっぷりのバラード「Butterfly In Reverse」。他にもザ・バンドあたりを彷彿とさせるレイドバックナンバー「Why Should You Come When I Call?」やそのザ・バンドのボーカリストへの言及が気の利いた「If I Could Give All My Love Or Richard Manuel Is Dead」、ピアノ一本の弾き語りと映画のような歌詞がいい「Holiday In Spain」など、全体のトータル感を前作同様保ちながら、決してマンネリや既定路線のなぞりに終わらずリスナーの胸に訴えかけてくるアダムの歌と詞はいつもながら素晴らしい。最後のシークレット・トラックでのジョニ・ミッチェル「Big Yellow Taxi」のカバーもリラックスしたアルバム作りが伝わってきていいね。(阿多)
ACROSS A WIRE - LIVE IN NEW YORK (1998, Geffen)



 ここ数年、ライヴアルバムをリリースするバンドが増えている。MTVの影響で「アメリカ中をくまなくツアーして回らなくても有名になれる」時代になって以来、ライヴよりもアルバム製作に重点を置くバンドが増えた。しかし最近また「ライヴ叩き上げ」のバンドが増えてきて、彼らが続々とライヴ盤を出している。ディスク1がいわゆる「アンプラグド」モノで、ディスク2が普通のライヴ。前者は原曲の良さが活かされていて、これはこれでいいが、そもそもテレビ番組収録のためのライヴなので、ちょっと「作られた」感じがしないでもない。一方ディスク2のほうではまったくの自然体で、やっぱりこっちのほうが活き活きとしている。特にボーカルのアダムの声の伸びの良さは素晴らしい。非常に表現力が豊かないいシンガーだが、やっぱりそれがライヴではいっそう輝いている。楽曲そのものはスローなものに秀曲が多いバンドだが、ライヴではアップテンポの疾走する勢いが素晴らしい。正直言って2ndアルバムはあまり好きじゃなかったけど、このバンドの素晴らしさを再認識させられた。(しんかい)
RECOVERING THE SATELLITES (1996, GEFFEN)



本国アメリカではデビューアルバムが600万枚突破したカウンティング・クロウズの2ndアルバムである。このアルバムも初登場1位を記録し、リリースその週にプラチナアルバムになったにもかかわらず、日本ではまだまだ知名度は低い。このバンドに限らず、最近のアメリカのロックバンドというのは、UKのそれなんかと比べるとどうも日本での受けがよくない。おそらく、ルックス的なものもその理由の1つなのかも・・。しかしこのアルバムは良いアルバムである.主に日常生活における不安や孤独、寂しさといったもの歌われているのだが、それぞれの曲に応じてボーカル全く違った表情を出してくるのだ。特に、1stシングルの「Angels Of The Silences」などは非常にスリリングでよい曲だと思う。でもなんだかんだ言ってもやはりこのてのバンドの魅力はCDよりライブだと思う。ぜひ今年あたり来日して欲しいが・・。(水岡)


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