| 70年代、イギリスのコーナーショップの多くはアジア人の経営だった。コーナーショップというのはイギリスでのアジア人に対する差別の象徴だ。しかし、このアングロ・インディアン達の3枚目のアルバムから性急なアジテーションは聞かれない。 肩の力の抜けた気負いの無さには拍子抜けするほどだ。96年のロラパルーザに参加、97年にはフェニックスやレディングに出演、とライブで大物に伍すステージをこなして好評を博したことで自信を深めたのか、ここで紡ぎ出される温かな音楽は実に見事にさりげなく東西の境界をクロスオーバーしている。 イニシアチブを取るTjinder Singhが目指すのはグローバルなスタンスに立つ、90年代ならでは越ジャンル音楽。シタール、タンブラ、スクラッチ、ループ、ノイズといった要素が渾然一体となった音造りは、著名な異趣交配アルバムと比肩しうる内容の濃さをほこる。故Alan Ginsberg、Automator (Dr. Octagon )、Bomb The BassのJustin Warfieldらが参加。(信沢)
在英インド人が結成したこのバンド、端的に言ってしまえば、チャンバワンバがカレー屋に突っ込んでしまったような音楽をやっている。在英インド人がやっている音楽というと、なにかワールド・ミュージック的なニュアンスのある学究的な、悪く言えばしかつめらしい印象を持ったりするが、ことこのバンドに関してはそんな心配はない。在英インド人のバンドといえば、リアルワールドからソロ・アルバムを出したシーラ・チャンドラがかつて在籍していたモンスーンが有名だが、彼らのようなアンビエント的なアプローチとは違い、思いっきりファンキーなのがコーナーショップの特徴である。ともかく開放的な音楽だ。インド人らしくシタールやタブラもフィーチュアされているのだが、音楽全体がポップだから違和感なくスッと耳に入ってくる。ちょっと実験的なことをやってみても高踏的にならず、どういうわけか下世話な雰囲気が漂う。だからこそデヴィッド・バーンが自分のレーベルに引き入れたのだろうが、なんかインドの深遠さよりもインド人街の猥雑さがイメージされる明るさがある。そういえば、在英インド人のはずのアパッチ・インディアン、どこ行ったんだろう。(鎌田)
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