| ライ・クーダーという人は、虚勢やハッタリの「ロックの世界」とは縁のない、「職人」だと思う。その彼が、「これは私が参加した中で最高のアルバムだ」と言い切った。これはただごとではない。キューバの流行歌を、彼の地の職人たちが、余裕たっぷりに披露する。いや、余裕たっぷりなんだが、そこには一分の隙もない。70代だの80代だのといった老練ミュージシャンたちも多く参加しているが、彼等はきっとこう言うんだろう。「俺にはこれしかできねえから」。頑固者で、不器用な、職人の味だ。ライ・クーダー自身の紹介の言葉を少しだけ。「ここにあるのはキューバの中で生きて動いている音楽であって、博物館に陳列してあった何かのかけらなどではない。自分がさんざん練習を重ねてきたのはこのためだったのだと感じた」。日頃西欧のロック/ポップ系ばかり聴いているから、たまにこういうのを聴くと新鮮に聴こえてしまう、というのは、絶対あると思う。でも、これが、本当の「生きた」音楽なんだと思う。素晴らしい。(しんかい)
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