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またしても1曲目でやられてしまった。わくわくするようなイントロから流れるようなメロディーライン、そして初めて聴くのになぜかなつかしく、あったかいサウンド、そこにニーナのヴォーカルがのっかって...となれば後はその心地よさにひたすら身をまかせるしかない。早くも3枚目となるアルバムだが、作を重ねるごとに前作での反省を生かした上で、確実にステップアップしていることがこれほど手にとるようにわかるバンドも珍しい。といっても何も難しいことをやろうとしているわけではない。今回前2作同様トーレ・ヨハンセンをプロデューサーに迎え、タンバリン・スタジオで制作されていることからわかるように、変に背伸びしたりせず、しっかり足を地につけて自分達の音楽に磨きをかけていく、そんな感じだ。さすがに夏のフェスティヴァルを始めとする欧州ツアーを経たせいか、演奏はたくましくなっているし、ギターが前面に出たいつになくロック色の強いナンバーもあるが、彼等はまず「ポップであること」という基本線からは決してはずれない。前のアルバムほど弾けていない分最初の印象は地味かもしれないが、各曲の持つメロディーの「思わず口ずさんでしまう度」が全く落ちていないのはあっぱれだし、彼等ならではの個性が明確に打ち出されているのも怖るべし。最高のポップ・バンドによる最高のポップ・アルバム、それ以外の形容詞はもはや必要ないだろう。(野坂)
まあ、多分このグループも国内メディアの主導によりヒットを生み出した典型的なグループの一つとして日本における「洋楽シーン」に位置づけることが出来よう。だが、現代スウェーデン・ポップの旗手として今や押しも押されぬスター的存在となった彼らの三作目はそんな偏見を払拭して余りある魅力を満載している。今回も名手トーレ・ヨハンセンに製作を委ねているが、彼のサウンドは相変わらず手作り感覚を帯びており人間的な温もりを感じさせてくれる。街中やラジオで何度耳にしたかわからない「Lovefool」は手堅くヒットを狙う姿勢が覗えるオーソドックスで完成された作りだ。だが、アルバム全体では生楽器を使用しているせいかスタジオ・ライブ的なラフな雰囲気が味わえ、彼等が身近に感じられて喜ばしい。今回各トラックで耳に残る積極的なギター・サウンドはギター中心のバンド編成にこだわる姿勢を明確にする一方、時折みせるスタジオワーク的なひねり技の数々を含んだ今までにない趣向を凝らしたトラック群は彼らの新境地を伝える。総じて前作の成功にとらわれない彼らの意欲作といえよう。勿論、あくまでポップであることが彼等の身上故、肩が凝らずに聴くことが出来るのだから非常に好感が持てるというもの。日本盤ボーナストラックの「Country Hell」はボーナストラックらしからぬ出来。買うなら日本盤を。(信沢)
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