JERRY CANTRELL

DEGRADATION TRIP (2002, Roadrunner)
ここでこのアルバムが買えます  レイン・ステイリーが死んだ。覚悟はしていたけど、こんな悲しい知らせを聞くなんて。でも一番悲しんでいるのは彼だろう。アリス・イン・チェインズのもう一人の看板、ジェリー・カントレル。レインの死を知らされる前に完成していた2ndアルバムは、皮肉にも前作よりアリスに近い作風となった。実はアリスのヒット曲は、ジェリーがメインヴォーカルをつとめることが多い。とは言っても、そこにレインの呪術的なヴォーカルが重なることで驚異的なハーモニーが生まれていたのだけど。だからジェリー単独のヴォーカルだと、いくら曲が良くても物足りない。ロードランナーに移籍した本作では、よりエッジの効いたサウンドになり、前作よりも格段に気迫が増した。ちなみに最初は1枚ものでリリースされたが、今は2枚組が出ていて、こっちが本来の姿らしい。しかしここまで本気を出しても、このアルバムはアリスじゃない。そんなことは当たり前で、彼はバンド活動の傍らで、リラックスしたソロアルバムを時々出せば良いと思ってたんだろう。彼がデイヴ・グロールのように、バンド時代は単なるプレイヤーだったなら、もっと割り切って活動できたのだろうけど、アリスの大半の曲を書いていたという事実が、もう二度と復活しないバンドとの比較という重い命題にとなってのしかかる。ライバルと競いながらレベルアップしてきたのに、決着がつかないままライバルは去った。そんな虚しさが伝わってくるアルバム。こんなはずじゃなかったのに。(松本)
BOGGY DEPOT (1998, Columbia)
ここでこのアルバムが買えます  アリス・イン・チェインズのソングライターであり、ギタリストであるジェリー・カントレルのソロ。残念ながら、レイン・ステイリーのあの呪術的なボーカルが恋しくなるだけの結果に終わった。奇跡的なコンビネーションが解消されると、今まで隣にいることが当然だった相方の「穴」の大きさだけが目立ってしまう。「名コンビ」解散後、急に地味になってしまった人は枚挙に暇あるまい。本人にとってもつらい作業だったと思うが、それが音に表れちゃってるんだよなあ。曲調はアリス時代から変わらずダウナーで一本調子なんだけど、やっぱりそこにレイン・ステイリーの呪術的なボーカルがのっかることで、我々もそこにエンターテイメントを感じ、楽しむことができたんだと思う。レイン自身のボーカルはか細く、切ない。聴く側までダウナーになってしまう。これじゃあ、大衆受けはしないわな。あの「Dirt」という大傑作を生んだ人なんだから、何とかその才能が活かせる方向に進んで欲しい。後年のインタビューで本作を指して「いやーあの頃はひどかったぜ」とか飄々と言って欲しいなあ。(しんかい)


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