BOSTON

CORPORATE AMERICA (2002, Artemis)



 このバンドといえば8年に1作と言う、恐ろしいブランクを耐えながらファンを続けなくてはならないバンドだが、今回も勿論8年ぶり...まるで、皆が「あのバンドは8年1作だから...」と言うことを聞いてわざと8年に1作にしているのではないかとさえ思えてくる。で、この作品。今迄の彼等の作品とは全く違うと言って良い。今迄は全曲リーダーのトム・ショルツによるペンで、概ね演奏も多重録音で自らやったものが多いと聞いているが、今回はあまり多重録音感がしないどころか、自らの仕事を新メンバー達に振り分け、トムのワンマン体制から分業体制にシフトした、まるで個人事業主が株式会社にして徐々に後継者でも探しているのかみたいな過渡期にある作品にすら感じる。今回初の女性メンバーの加入、親子二代でメンバーになっている者、そしてこれは「売り」だろうがブラット・デルプ(初期3枚のヴォーカル)の復帰。体制の変化に話題性は確かにある。がしかし、あまりに彼等の作品としてはアット・ホームであり、緊張感が無い、勿論作品が小粒になり6分超の大作も無い、組曲も無い。トムは単なる人の良いオヤジになってしまったのだろうか?今後どうせ8年待つなら、あまり不安を持ちたくなかったが、やっぱし不安だ...但し作品から伺えるのは「ライヴをやりたがってるなぁ」ってこと。実演奏に耐え得る曲の創りと、最後の曲「Livin' For You」(前作『Walk On 』からのライヴ・テイク)と、中ジャケのトムの笑顔が不気味な「やる気」を感じさせる不思議な作品。宜しくどうぞ。(奥村)


copyright(c) by meantime 2003 all rights reserved.
無断転載を禁じます。