|
THUG WORLD ORDER
(2002, Ruthless / Epic) |

|
ラップ不毛だった土地セントルイスから独特な歌風フロウで一躍人気者となったネリーにはチンギーという後継者が出てきたが、もっと前からクリーブランド出身の囁きコーラス系フロウという独自路線でつきすすんできたボンサグは他の追随を許さない?孤高の存在。その個性ゆえにどの曲も同じに聴こえると揶揄されたりもするが、実はバラエティに富んだ曲に取り組んでいて今回のアルバムでも全編飽きずに聴ける。ファーストシングルとなった「Get Up & Get It」は3LWとフェリシアをフィーチャー。クライマックスをサンプリングしてちょっとディスコっぽいグルーヴが耳を引くキラー・チューンに仕上がっている。ボンサグにしては珍しいタイプのアホ系かけ声を聴かせる「Bone×3」も新鮮。しっかりUKヒットとなってしまったPhil Collins(律儀にも本人がビデオに登場)「Take Me Home」モロ使いの「Home」はあの細かいシンセ音にきちんとフロウを乗せているとこるがポイント。ラリースという女性シンガーをフィーチャーした「Gu e ss Who's Back」はマイアミベースのBPMをぐっと落としたような(しかし最初のヴァースのフロウは超高速)トラックが楽しい。「What About Us」は子供声コーラスがジェイZ風。ベストアルバムを既に2枚も出してまだまだこれだけの作品をドロップしてくるんだからボンサグはもっと評価されていいはず。(中村)
|
|
THE COLLECTION: VOLUME TWO
(2000, Ruthless/Epic) |

|
何とボンサグベスト盤第2弾が登場。興亡激しいヒップホップ界で現役でこんなことができるヤツはそういない。内容はといえばリミックス4曲、未発表もの4曲、モー・サグスのコンピから2曲、そして2パックとの曲、デュプリのアルバムのダ・ブラットとの曲、マスターP+シルク・ザ・ショッカーとの曲、といった具合。さてリミックスでは「Look Into My Eyes」にバックトラックにアイズレー「Voyage To Atlantis」を使ったり、「Can't Give It Up」にばりばりのギター音を入れたり(その名も「Rock Remix」)となかなか工夫を凝らしてある。モー・サグスものではシルキーな歌い口の女性シンガーのフェリシアをフィーチャー。モー・サグスはサウンドもユニークだしルックスもいけるメンバーも多いので将来ここからスターが誕生するかも?各種共演曲ではベスト第1弾のマライアに及ぶ目玉アーティストはいないものの銃声がループされた2パック曲は無気味。未発表曲ではボートラで亡き恩師イージーE参加の「Sleepwalkers」が聴ける。他にもメロウなトラックを敷いたハッパソング「Weedman」、ビジーが高速でぺちゃぺちゃしたラップを聞かせる「Frontline Warrior」など聴きどころは多いのだが、メンバーの一部が不在というナンバーばかり。実は今回のベスト盤はレーベルサイドの企画で、近年はグループ内の不仲、設立者レイジー・ボーンの10年の懲役などただ今ボンサグ危機まっただ中。独自の個性を持ったユニットなだけに何とかのりきってまた新作を聞かせてほしいものだが。(中村) |
|
BTNHRESURRECTION (2000, Ruthless/Epic) |

|
シングルが8週連続でナショナル・チャートを制したり、前作の2枚組アルバム「The Art Of War」も初登場1位を決めたりと一時代を築いたボンサグ。オリジナルアルバムとしては2年半ぶりとなる本作はその名も「復活」。残念ながら全盛期ほどの話題性もセールスも記録していないがクオリティは全く落ちていないのが立派。リードトラックとなった「RESURECTION (Paper, Paper)」はフックも効いてるし流麗なストリングスのトラックが耳馴染みよく、日本のインターFMでも年間Top20にランクインするほどの好オンエア。「Souljahs Marching」はホーンの盛り上げがいつもレイドバック気味のボンサグにしてはやる気な1曲。女性コーラスが絡む「The Righteous Ones」や売人との駆け引き部が楽しい「Ecstasy」でのダークでイッちゃってる世界もファンにはたまらない。ぶよぶよ音がアクセントになった「Can't Give Up」もフロア受けの良さそうなトラック。後半部は明るめのトラックが多くボンサグビギナーにもお薦めできそう。これだけの作品をまだまだ送り出せるボンサグだが最近の動向からはどうも不穏なグループ状態が伝わってきてなんとも惜しい。 (中村)
|
|
ART OF WAR (1997, Ruthless/Relativity) |

|
自分達のレーベルを展開させたり、映画『Batman Forever』のサントラやMariah Carey「Butterfley」に参加したりと97年は非常に元気がよかった4人組の2枚組大作。戦争をテーマにしたコンセプトアルバムということだが、そうした部分よりもやはりこのアルバムでは全員Bone姓を名乗る4人のコーラスともラップとも言い切れない独特のフロウが中心である。となるとE-40が4人いるかのような彼等の早口フロウを敬遠する向きも多いだろう。ただでさえクセが強いのに今回は2枚組/2時間という長丁場である。しかし、彼等のラップには生理的な好き嫌いが分かれるにせよ一つの表現形態として他の追随を許さないオリジナリティがあるのも確かである。ポピュラーミュージック、特にブラックミュージックを愛する人間は彼等を無視するべきではない。アルバム全曲にライターとしてクレジットされ、実際のプロデュースを担当した貢献度によって第5のメンバーといえるDJ U-Neekの存在も見逃せない。(信沢)
|