|
THINK TANK
(2003, Parlophone / Virgin) |

|
いい時期にBest盤を出して間を繋いだと思う。が、それでもブランクは長く、待たされた感はある。フロントマンのデーモンは、その間サイドプロジェクトであったはずのゴリラズをBlur以上に大ヒットさせ、初の全米TOP40入りとなる。果てはマリのミュージシャンとNHK-FMの朝にかかるような民俗音楽に傾倒、そのままアルバム1枚完成させてしまう。その後アルバム製作中にギタリスト兼もう一人のフロントマンのグレアム脱退。Blurの歴史史上最も待たされた本作は、今までのファンを突き放すような物品を危惧していたのですが、結論は今までの延長線上なBritish Popでした。頭から離れないメロディーライン、毎度おなじみ妙にリズミカルなヴォーカル、ここだけ切り取って聴いていたいようなベース、不思議なドラムリズム、どれをとっても超一流です。サポートギターは元Verveなのでまあ信頼していいみたいです。「Out Of Time」のあぐらかいたまま空中浮遊できそうな独特な雰囲気(Radio headにはこんな名曲作れないだろ)。「Crazy Beat」のテンションの高さは、何も考えないことが最もかっこいい!と悟ってしまったかのような壊れ方。いぇーいいぇぃぇい いぇいぇいぇーいえ 。ギターバンドとしてのBlurを期待している人はグレアムのソロでも聴いていてください。(ってかグレアムのソロは3枚ともかっこいいので買ってね)人類2万年の歴史の中でたかだか西暦90年代のUKシーンを代表するバンドだったはずが、いつのまにか人類を代表する音楽家になるにあたり申し分のない傑作を作ってしまいました。MozartやMiles Davisの作品と並べて語られるべき音楽でしょう。イギリスの音楽の教科書に載るのも時間の問題で、むしろ歴史の教科書がふさわしいかもしれません。21世紀の若者ロックファンはビートルズとかストーンズ聴かなくてもBlurを1stから遡れば充分。え、まだ褒め方が足りない?文章下手ですみません。(mz)
|
|
BLUR
(1997, FOOD)
|

|
「MODERN LIFE IS RUBBISH」の時もそうだったが、やはりこいつらは開き直ってやりたい放題やっている方が魅力的だ。前作は凄まじい完成度を持ったアルバムだったが、それゆえに方法論的な行き詰まりを感じさせたのもまた事実だった。このままだと時流に無縁なポップス職人への道を歩みかねない危険性、やはり彼等自身もその事はよくわかっていたのだろう。ペイヴメントやソニック・ユースの影響を感じさせるささくれだったギター・サウンドが本作の最大の特徴、だが、ここには無理に新しいことをしてみました、という違和感はまったく感じられない。それは彼等が優れた音楽、新鮮な音に対する感受性とそれを自らの資質と融合し昇華する能力に長けているからに他ならない。
歪んだギター、ざらついた音の感触、荒々しい演奏、でもその中から聞こえてくるのはまぎれもなくブラーでしかありえないポップソングであるのが重要なポイントだろう。時代とともに生きてこそ「ポップ」、これは現代最高のポップ・バンドである彼等の存在証明であり、新章の幕開けでもあるのだ。(野坂)
|