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ジル・スコットやエリカ・バドゥなど、今シーンでは旬のR&Bシンガーを次々に生み出すフィラデルフィアから昨年鳴り物入りで登場したのがこのビラルことビラル・セイード・オリヴァー君。この街出身の歌ものアーティストに欠かせない「オーガニック・ソウルの立役者」ソウルクエリアンズとの2曲はまあお約束としても、ラファエル・サディークや初ヒットシングルとなった「Love It」のマイク・シティらスムーズ・ソウルの有名サウンドメイカーとの仕事を始めとして、目と耳を引くのは何と言ってもDr.ドレがプロデュースした「Fast Lane」「Sally」の2曲。この2曲のヒップホップ・トラックをうまーく味付けしたハードエッジなソウル以外にも、ソウル・ジャズ風の曲あり、正当派の歌い上げソウルありと実に多彩な楽曲群を無難に歌いこなしている。しかも1曲以外は全てに作曲で参加というクリエイターぶり。要は器用な人なんだろうと思う。できるが故にいろいろやってみたい、またやったらそれなりに様になる、それを突き詰めたらこのデビュー作ができちゃった、てな感じ。ただそれだけに全体的に散漫な印象は拭えないし、無茶苦茶歌がうまい!という訳でもなくどちらかというと勢いと雰囲気で歌いきってしまうスタイルだけに、マーヴィン・ゲイのライヴとかのノリを目一杯意識した「When Will You Call」の情熱的なパフォーマンスや、アルバムラストで浮いてるプリンスのギタージャム的な激しい「Second Child」なんかが実はこの人の本領なのかなあ、とも思ったりして。なかなかカリスマ的な魅力もありそうなんで、あまり器用貧乏でまとまらず、何かアッというようなアルバム作りを次は期待。(阿多)
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