
|
デスチャの来日公演では3人のソロ・パートがあり、ビヨンセのコーナーで歌われたのが『Survivor』に収録されたバラードの「Dangerously In Love」だった。だからビヨンセがソロアルバムのタイトルにこの曲を冠したとき、歌唱力を生かしたバラード主体の作風になるのでは、と予想した。その予想は大外れ。ジェイZと再度タッグを組んだ起死回生の特大ヒット「Crazy In Love」に導かれるアルバムは、デスチャ以上に意欲作・冒険作が連なる。自分のフィールドだけで勝負すればいいミッシェルや存在感が薄い分融通のきくケリーと違い、全方位的な成功が要求されるビヨンセ。今が旬のショーン・ポールとタイマン張った「Baby Boy」やミッシー・エリオットの独特な世界観が面白い「Signs」、ルーサー・ヴァンドロスと共演するロバータ・フラックのカバーなど、アルバムに一分の隙も見られない。デスチャで従えてた2人のコーラスも得られず、責任を一人で受け止めるかのように突っ走るビヨンセ。そんなテンパった雰囲気のアルバムは、聴いてて面白くもあるし単に疲れるだけとも言える。とりあえず商業的な使命は全うしたので、次はリラックスした伸びやかな歌声をもっと聴きたいと思うけど、強気の歌姫には大きなお世話か。(松本)
|