THE BEAUTIFUL SOUTH
PAINTING IT RED
(2000, Go! Disc/Polydor)
オリジナルとしては7枚目、今までは油絵タッチの風刺画みたいなジャケットが特徴だったけど、今回はガラっと変わって色見本帳みたいになった。なんだか味気なくなったと思う人もいるかもしれないが、色のひとつひとつが曲のキーワードに対応しているところなんかはさすがだと思う。ここ数年、アルバムとしての統一感を前面 に出していたけど、実は彼らの持ち味は、3人のヴォーカルが曲毎に多彩な表情を見せてくれるところ。そういう意味では今回のジャケットは、彼らの良い意味での散漫さをうまく表現していると思う。サウンドもホーンを積極的に取り入れたり、もはや参加が当たり前になった元同僚ノーマン・クックが器用なプレイを見せたりとバラエティに富んでいる。もちろん最大の魅力である歌詞は相変わらず冴えわたってる。ただ、最近のヒット「Don't Marry Her」とか「Perfect 10」のように、一度聴いただけでインパクトのある詞/曲が見当たらないのは残念。そのせいかセールスは今までに比べると控えめ(とはいっても初登場2位 )なんだけど、それともみんなもうすぐベスト盤が出ると思ってるのかな?(松本)
BLUE IS THE COLOUR
(1996, GO! DISCS)
220万枚(7世帯に1枚)という驚異的なセールスを記録したベスト盤から2年振りの新作。もちろん売れたからといってこの人達の世界が変わるはずがない、何せ1曲目から「DON'T MARRY HER,FUCK ME」と歌ってしまうのだから強烈だ。人生の無慈悲さを時に残酷に、時にユーモラスに描き出す作詞家としてのポール・ヒートン、柔らかい感触の美味なメロディーを紡ぎ出す作曲家としてのデイヴ・ロザレー、そしてその楽曲のエッセンスを余すところ無く表現する3人のヴォーカリスト、どれをとっても一級品で存分に堪能させてくれる。特に前作から加わったジャクリーンの表情豊かなヴォーカルは素晴しく、もはやバンドの顔といってもいい存在感だ。それにポールの詞もいつにもまして冴え渡っており、一体どうしてこんなことを思いつくのかというユニークな視点とシンプルでありながら本質を鮮明に浮かび上がらせる言葉の巧みさには感嘆してしまう。それにしてもこんな毒のあるアルバムが当然のように1位 になるイギリスという国はやっぱり凄いよな。(野坂)
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