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ジョン・レノンの死後20年ということもあり、この年はジョンを中心に様々なビートルズ関連の話題が多かった。そのトリを締めくくるような企画があっと驚くビートルズのベスト盤。レーベルは「初の公式ベスト」とか言っているがいわゆる「赤盤」「青盤」が存在するのでなにいわんや、と言う感じではある。この期に乗じてと言うか20世紀最大のアーティストを掲げて世紀末の大商戦に入ったというのか。確かにこのアルバムの選曲とタイトルは苦労しただろう。ベストと一言で言ってもヒット曲も多く、ノンチャート曲の評価も高いわけだから。捻り出されたコンセプトが「No.1」。と言っても本国イギリスだけでは中途半端、アメリカだけではちょっと足りない事から英米のチャート1位曲を集めて出来たのがこのアルバム、タイトルもシンプルに「1(One)」。おかげでCD限界の79分を超える盛りだくさんになった。音はリマスターを施され、以前に比べて1つ1つの音がくっきりと浮かび出てくるよう。曲順はなにも細工をする必要はなく(細工をしたらしたで様々な議論を呼んだだろう)、シンプルにデビュー曲「Love Me Do」からラスト・シングルの「The Long And Winding Road」まで発表順に並べ、そのサウンドの変遷と共に歴史を紐解いている。当然のごとくビートルズの良さはここに収録されている曲だけではないけど、ここまでNo.1ソングを並べられるとそれはそれで圧巻。初期の「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」「Can?t Buy Me Love」などの心を躍らせ、「Yesterday」に涙を流し、落ち着きと充実感を蓄え、時に労り、勇気付けてくれた中期、そしてドラッグの影響も受け個性を主張し、徐々にかつ確実に分裂して行く後期と走馬灯のように流れて行く。オールドタイマーは甘くほろ苦い青春時代を思い出し、ニューカマーは、今をもってその瑞々しさを失う事のないメロディの輝きに触れてみれば良い。ある意味でビートルズを身近にした、という点では優れた入門編と言えるアルバムだろう。(小松)
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