|
ジャマイカでは91年に18歳でデビューするや、いきなり大ヒット連発の若きトップスターになった。「Voice of Jamaica」などという自信たっぷりのタイトルを冠したアルバムで世界に名を売り、95年作「'Til Shiloh」ではその素晴らしい喉を披露、私は一発で虜になった。この人の声を聞くと、野生動物を思わずにいられない。逞しい声。それは筋肉隆々の肉体とかそんなちっぽけなレベルじゃなく、地平線まで遥かに続く大地と、果てしなく広がる空と、それらと対等な存在として自然の中に生きる生命体としての逞しさ - 即ち、肉体だけでなく精神的にも極限まで高められた強さだ。その圧倒的な声に惚れ込んだ私にとって、この新作は物足りない。相変わらずレゲエの世界での人気は圧倒的で、「97年のベストレゲエアルバムはこれで決まり」的な紹介もよく目にするし、確かに非常に出来のいいアルバムではある。しかし品質を高めたことで、従来の彼の作品に漂っていた力強さや逞しさが抑えられてしまっている。Bujuは、こんなもんではない。(しんかい)
|