ARTFUL DODGER

IT'S ALL ABOUT THE STRAGGLERS (2001, London)



 何やら2001年夏に早くも解散してしまったらしいアートフル・ドジャー。これ以外にも彼らが手掛けたリミックスなどを集めたベスト盤的な「Re-Rewind Back By Public Demand」というコンピが出ているが、これが唯一のアルバムと言って良かろう。  「Re-Rewind」「Woman Trouble」「Please Don't Turn Me On」「Movin' Too Fast」(本作には未収録)と1年ほどの間に全英トップ10ヒットを連発し、惜しくもトップ10入りは逃したがアルバム中でも完成度の高さでは群を抜く美しいトラック「Think About Me」まで含め、アルバムの半分近くはヒット曲だ。  各曲ごとに違うシンガーが配され、全部で8人がフィーチャーされているが、全体の統一感は見事なもの。中でもやはり人混みの中を何食わぬ涼しい顔ですーっとすり抜けて行くようなクレイグ・デイヴィッドの爽快な早口ボーカルが抜群の相性を見せる。  2ステップを世に広めた最大の功労者は、アートフル・ドジャーとクレイグ・デイヴィッドであることは間違いないだろう。2ステップという音楽は、たとえば「ヒップホップ」とか「ヘヴィメタル」みたいなジャンルに比べれば、その登場は衝撃的とは言えないし、誰が聴いても判別できるものでもない。しかし削ぎ落とされたリズムと、最小限の装飾で、これほど洗練されてゴージャスなサウンドが作れるのだという新鮮な驚きを与えてくれた。洗練されて美しくてオシャレで、かつ一般人にもわかりやすいキャッチーさを兼ね備えた音楽。ロンドンだからこそ生まれた音だと思うが、果たしてアメリカにも普及するのか?(しんかい)



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