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フィッシュの活動休止期間中に出てきたトレイ・アナスタシオの初ソロアルバム。管楽器を中心とする8人編成のバンドを中心に、これまた管楽器や弦楽器を中心とする数十人のミュージシャンを迎えて製作されている。まあフィッシュのフロントマンをやってるぐらいだから、この人の引き出しからどんなタイプの音楽が飛び出してきても驚いちゃいけないのだが、いやあやっぱり幅広い。1曲目はラテンっぽいちゃかぽこしたリズム。2曲目はファンキーなスワンプ・ロックがドクター・ジョンみたい。3曲目は軽いサロン・ミュージックみたいな雰囲気のくせにやけに高速ビート。4曲目はレニクラみたいなギターロック。5曲目はピアノを中心とするしっとりとしたスロー。てな具合にすべての曲でリズムが違い、曲の表情が違う。で、どれもがトレイの歌声と同じように控えめで、少し寂し気だ。弦楽器に乗せたギターソロのインスト「At The Gazebo」なんてちょっと切なくなってしまう。ファンキーな高速グルーヴが延々11分にも渡って展開される「Last Tube」でも、トレイはまったくハメを外すことなく、バンドは終止統率のとれたアンサンブルを展開する。これは、いわゆるロックではない。感情の赴くままに自己表現することを良しとするロックとは違う価値観で製作された音楽だ。スティーリー・ダンなんかに、存在としては近いような気がする。(しんかい)
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