FERNADA ABREU

RAIO X (1997, EMI Brasil)



 アイドルグループのバックコーラスを務めた後、90年代に入りソロ活動を開始したブラジル・リオ出身の女性の4作目。90年代に発表した3枚のソロアルバムから選んだものに手を加えた変則的内容となっている。ブラジルだけにとどまらないグローバルな感触が備わっているのは情報が瞬時に地球の裏側に届き世界各地の音楽が影響しあうこの時代のダンスミュージックならではのもの。慣れないポルトガル語の詞は地名や人名など固有名詞がふんだんに盛り込まれたエキゾチックかつ具体性があるもので強い印象を残す。冒頭のラップから、伝統的なサンバのリズムにドラムンベースを連想させる硬質なビートを組み込んだラストまで、ブラジル特有の熱い高揚感を体験できる多彩にして華麗、圧巻の14曲。彼女を評して、ブラジルの新しいポピュラーミュージックシーンを担う、という肩書きがあるが、本作はブラジルだけでなく米英の定型化した音に慣れて硬直した耳にもきっと新鮮に響くことだろう。(信沢)


copyright(c) by meantime 1997-2001 all rights reserved.
無断転載を禁じます。